【初心者向け】他の写真編集からインスピレーションを得て、「私らしさ」を見つける方法
写真編集に慣れてきたら、「自分の写真に個性をもっと出したい」「どんな雰囲気の編集が自分らしいのか知りたい」と感じ始めることがあるかもしれません。しかし、いざ「個性」と言われると、具体的に何をすれば良いのか迷ってしまうこともあるでしょう。
自分らしい編集スタイルを見つけるためのヒントは、実はあなたの周りにある多くの「他の写真」の中にも隠されています。この記事では、他の人の写真編集からどのようにインスピレーションを得て、それを自分の個性につなげていくのか、その考え方と具体的なステップをご紹介します。
なぜ他の写真編集から学ぶことが大切なのか
写真編集の世界には、数え切れないほどのスタイルや表現方法が存在します。明るくフレッシュな色合い、深みのある落ち着いたトーン、ドラマチックなモノクロなど、編集によって写真の印象は大きく変わります。
これらの多様なスタイルを知ることは、自分がどんな写真が好きか、自分の写真にどんな編集を施したいか、といった「なりたいイメージ」を見つける上で非常に役立ちます。他の人の工夫やアイデアに触れることで、自分だけでは思いつかなかった表現の幅が広がる可能性があるからです。
どこでインスピレーションを見つけるか
インスピレーションを得る場所は、特別な場所である必要はありません。日頃から目にしている様々な写真の中にヒントが隠されています。
- 写真共有サイトやSNS(Instagramなど): 世界中の写真家や一般の人がアップしている写真を見ることができます。気になる写真を見つけたら、どんな雰囲気に編集されているか観察してみましょう。使われている色合いや明るさ、コントラストなどをなんとなくでも感じ取ることが第一歩です。
- 写真関連のブログやウェブサイト: 編集チュートリアルや作例を紹介しているサイトでは、具体的な編集の手順や考え方が解説されていることがあります。
- 写真集やギャラリー: プロの写真家の作品は、色の使い方や光の表現において非常に勉強になります。
- 写真教室やワークショップ: 他の参加者の写真や、講師の編集プロセスを見ることも良い刺激になります。
たくさんの写真を見る中で、「この写真の空気感が好きだな」「この色合いが魅力的だな」と感じる写真を見つけることが重要です。
見つけたインスピレーションをどう活かすか
ただ漠然と写真を見るだけでは、インスピレーションを自分の編集に活かすことは難しいかもしれません。見つけたインスピレーションを「私らしさ」につなげるためには、少し立ち止まって考えてみることが効果的です。
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「なぜ好きだと感じたのか?」を分解してみる:
- その写真のどんなところに惹かれましたか? 色合いですか? 明るさですか? それとも全体の雰囲気でしょうか?
- もし色合いが好きなら、それは暖色系が強いのか、寒色系なのか、彩度は高いのか低いのか、といったように、具体的に分解して考えてみます。
- もし明るさなら、全体的に明るいのか、特定の部分だけが明るいのかなど、観察を深めます。
- 写真編集ソフトの知識が深まるにつれて、「これはハイライトを調整しているな」「シャドウに色がついているかもしれない」といったように、使われているであろう編集手法を推測できるようになります。最初は難しくても、「明るい」「青っぽい」「柔らかい」といった印象で捉えることから始めてみましょう。
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自分の写真で「試してみる」:
- インスピレーションを受けた写真の要素(例えば「少し温かみのある色合い」や「コントラストを抑えた柔らかい雰囲気」など)を、自分の写真で再現してみます。
- PC版の写真編集ソフトには、明るさや色、コントラストなどを調整する様々なツールがあります。学んだ基本的なツール(露出、コントラスト、ホワイトバランス、HSLなど)を使って、見た写真の雰囲気に近づけるように調整を試みます。
- ここで大切なのは、完璧に同じにする必要はないということです。あなたの撮った写真と、インスピレーションを受けた写真は、被写体も光も全く異なります。同じ調整をしても全く同じ結果にはなりません。
- 「この写真ではうまくいったけど、私の写真には合わないな」と感じることもあるでしょう。それで良いのです。試す過程で、どんな調整が自分の写真に合うのか、どんな雰囲気が自分の好みなのかが見えてきます。
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複数のインスピレーションを組み合わせてみる:
- 一つのスタイルに固執せず、様々な写真から得たインスピレーションを組み合わせてみましょう。例えば、ある写真の色の雰囲気と、別の写真の光の捉え方を組み合わせてみるなどです。
- このように試行錯誤する中で、あなた自身の「好き」や「撮った写真の良さを引き出す」ための編集の方向性が少しずつ明確になっていきます。これが「私らしさ」を見つけるプロセスです。
真似から学び、自分流を見つける
他の人の編集スタイルを参考にするのは、決して悪いことではありません。料理のレシピを参考にしたり、絵画の技法を学んだりするのと同じように、先人の知恵やアイデアから学ぶことは成長への近道です。
ただし、単に丸ごとコピーするのではなく、「なぜこの編集をしているのだろう?」「この編集で写真はどう変わるのだろう?」と考えながら試すことが重要です。そして、最終的にはあなたの写真に合うように、あなた自身の感性で調整を加えてみてください。
インスピレーションは、あなた自身の個性やワークフローを構築するための「きっかけ」や「引き出し」を増やすものです。他の人の素晴らしい写真を見て、自分にもこんな表現ができるかもしれない、とポジティブな気持ちで編集に取り組むきっかけにしていただければ幸いです。
まとめ
写真編集における「個性」は、最初から完璧に確立されているものではありません。様々な表現方法を知り、試行錯誤を繰り返す中で、少しずつ形作られていくものです。
他の写真編集からインスピレーションを得ることは、その試行錯誤のプロセスを豊かにし、新しい発見をもたらしてくれます。今回ご紹介した方法を参考に、ぜひ色々な写真を見て、あなたの写真編集に活かしてみてください。あなたの写真がさらに魅力的になるヒントが見つかることを願っています。