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【初心者向け】写真が「立体的」に見える!深みを出す編集方法

Tags: 写真編集, 初心者, 立体感, テクニック, コントラスト, 明瞭度, 部分補正

写真に「立体感」を加える編集とは

写真を見ていると、「何だか平坦に見えるな」「もっと被写体を際立たせたいな」と感じることはありませんか。これは、写真が三次元の世界を二次元に写し取ったものであるがゆえに生じやすい現象です。しかし、写真編集の力を使えば、この「平坦さ」を解消し、被写体や風景に奥行きや深み、つまり「立体感」を加えることが可能です。

立体感を編集で表現することは、写真を見る人に、その場の空気感や被写体の存在感をより強く感じてもらうことにつながります。これは、あなたの写真に個性を加え、表現の幅を広げるための一つの重要なステップとなります。

この記事では、写真編集が初めての方でも取り組みやすい、基本的なツールを使った立体感を出すための編集方法とその考え方をご紹介します。特別なテクニックは必要ありません。お手持ちのPC編集ソフトで実践できる内容です。

なぜ写真編集で立体感が出るのか

現実世界で私たちが物体の立体感を感じるのは、光の当たり方による陰影、物の質感、そして遠近感といった要素があるからです。写真はこれらの情報を記録していますが、平面であるため、情報が整理されていないと立体的に見えにくい場合があります。

写真編集では、これらの要素を強調したり調整したりすることで、失われがちな立体感を「再構築」あるいは「強調」することができます。例えば、

これらの要素を、編集ソフトの基本的なツールを使って調整していくのが、立体感を出す編集の基本的な考え方です。

初心者向け!立体感を出すための基本編集テクニック

ここでは、PC編集ソフトによく搭載されている基本的な機能を使って、写真に立体感を加える方法を具体的に解説します。

1. 明るさとコントラストの調整

最も手軽で効果的なのが、明るさとコントラストの調整です。

多くの編集ソフトでは、明るさや露出、コントラストを調整するスライダーがあります。まずはこれらのスライダーを少しずつ動かして、写真の印象がどう変わるか試してみましょう。

2. 明瞭度(Clarity)とテクスチャ(Texture)の活用

「明瞭度」や「テクスチャ」といった機能も、写真の立体感を出すのに役立ちます。これらは、写真の細部(エッジ付近のコントラスト)を調整することで、質感やディテールを際立たせる機能です。

これらのツールは、写真の主題となる被写体の質感やディテールを強調したい場合に特に有効です。

3. 部分補正ツールで特定の場所を調整する

写真全体ではなく、特定の場所だけを調整できる「部分補正ツール」(ブラシツールや段階フィルター、円形フィルターなど)は、立体感を出す編集において非常に強力です。

例えば、

部分補正は少し慣れが必要ですが、写真の中で「どこを際立たせたいか」「どこを控えめにしたいか」といった意図をダイレクトに反映できるため、より個性的で効果的な立体感の演出が可能になります。まずはブラシツールで被写体をなぞり、明るさやコントラストを少し調整する練習から始めてみましょう。

編集ワークフローと「やりすぎ」を防ぐには

これらの立体感に関わる調整は、写真編集の初期段階で行うのが一般的です。基本的な露出やホワイトバランスの調整が終わった後に、被写体の立体感を出すためのコントラストや明瞭度、必要に応じて部分補正を行う、という流れでワークフローに組み込むことを検討してみてください。

また、立体感や質感を強調する調整は、効果が分かりやすいため「やりすぎ」てしまいがちです。不自然な写真にならないためには、以下の点を意識しましょう。

あなたらしい「立体感」の表現を見つける

写真における「立体感」の表現に、絶対的な正解はありません。シャープで硬質な立体感を表現したい写真もあれば、柔らかく自然な立体感を目指したい写真もあるでしょう。風景写真とポートレート写真では、効果的なツールの使い方や強調すべき部分も異なります。

今回ご紹介した基本的なツールを使いながら、どのような写真に、どのツールを、どの程度使うと、自分がイメージする「立体感」に近づくのか、ぜひ試行錯誤してみてください。色々な写真で繰り返し編集を行ううちに、あなたらしい立体感の表現方法が見つかっていくはずです。

まとめ

写真に立体感や深みを加える編集は、平坦に見えがちな写真をより印象深く、被写体の存在感を引き出すための有効な手段です。コントラスト、明瞭度、テクスチャといった基本的なツールや、部分補正を組み合わせることで、初心者の方でも写真に奥行きと立体感を与えることが可能です。

大切なのは、これらのツールがどのような効果を持つかを理解し、「なぜこの調整をするのか」という意図を持って編集に取り組むことです。そして、元写真と比較したり、時間を置いて見直したりしながら、やりすぎにならないように調整を進めましょう。

今回ご紹介したテクニックは、あなたの写真表現の幅を広げるための一歩となるはずです。ぜひ、お手持ちの写真で試して、「立体的」な表現を楽しんでみてください。